タダシ・サトウは、ハワイで最も優れたアーティストの一人とされ、幾何学的な形や自然から引き出したイメージによる抽象的な作品は、数千ドルの値がつくほどです。1923年、マウイ島カウパクルアに生まれ、8歳のときにハワイ準州全域を対象としたポスターコンテストで優勝しました。第二次世界大戦中は米国陸軍に入隊し、オーストラリア、ニューギニア、フィリピンに駐留して、絵の技術を生かし地図製作者として従事しました。1946年にハワイへ戻るとハレクラニに勤め、後にハレクラニは彼の絵画を数多く購入しています。また、ホノルル美術アカデミーで学び、ニューヨークのブルックリン美術館附属美術学校への奨学金を得ました。プレシジョニズム(精密主義)に連なる画家ラルストン・クロフォードや、モダニズムの画家スチュアート・デイヴィスからも励ましを受けています。サトウの作品には、油彩の「Captain’s Chair」や、ニューヨークの地下鉄に魅了されて描いた「Subway Station, New York, 1953-54-55」などがあります。初の個展は1958年に開かれました。晩年になるにつれ、ハワイの自然環境、とりわけ海が作品の主題となることが増え、その作風はより抽象的になっていきました。

「Composition」タダシ・サトウ作、1988年、キャンバスに油彩
(フロントデスクの前に立って右手にある大きな壁に展示)






